レジオネラ症

レジオネラ症（Legionellosis）について解説します。

レジオネラ症とは

「レジオネラ症」は、「レジオネラ属菌」によって引き起こされる呼吸器感染症です。中高年に多く発生しています。

感染経路

レジオネラ属菌が人工的な水循環設備（循環式浴槽、冷却塔、給湯設備など）中に侵入、繁殖し、それらの施設から発生するレジオネラ属菌を含むエアロゾルを吸入することで感染する「空気感染」「飛沫感染」が主要な感染経路です。ヒトからヒトに直接感染することはありません。

潜伏期間

2～10日（レジオネラ肺炎）、1〜2日（ポンティアック熱）

主な症状

レジオネラ肺炎は、全身倦怠感、頭痛、筋肉痛などの症状に始まり、乾いた咳、痰、高熱、悪寒、胸痛が出現します。腹痛や下痢などの消化器症状や、傾眠、四肢の振せんなどの中枢神経系の症状がみられるのも特徴です。有効な抗菌薬治療がなされないと、致死率は60～70％に増加しますが、適切な治療がされれば致死率は7％程度になります。　
ポンティアック熱は、発熱を主症状とし、全身倦怠感、悪寒、頭痛、筋肉痛などをともないますが、肺炎症状はみられません。2～5日程度で自然治癒します。