カンピロバクター・ジェジュニ/コリ(Campylobacter jejuni/coli)について解説します。
細菌の特徴
カンピロバクターは、家畜の流産、胃腸炎、肝炎等の原因菌として獣医学分野で注目されていた菌で、ニワトリ、ウシ等の家禽や家畜をはじめ、イヌ、ネコなどのペット、野鳥、野生動物など多くの動物の腸管内に広く常在菌として生息しています。1970年代に下痢患者からこの菌が検出され、人に対して下痢を引き起こすことが明らかになりました。カンピロバクターは微好気性といって、酸素が少しある環境(酸素濃度:5〜15%)を好み、酸素が十分にある通常の大気(酸素濃度:21%)や、逆に酸素が全くない環境では増殖できません。発育(増殖)できる温度域は、30℃から46℃です。 カンピロバクター属は、24 の菌種及び亜種が含まれ、さらに 11 の新たな菌種が提案されていますが(2012 年時点)、このうち、カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)とカンピロバクター・コリ(Campylobacter coli)が食中毒患者から発見される菌種の多くを占めています。
トリ、ウシでは、カンピロバクター・ジェジュニの保菌率が高く、ブタでは、カンピロバクター・コリの保菌率が高くなっています。家畜や家禽が高率にこの菌を保菌しているため、食肉処理場、食肉販売業での処理過程での汚染により、市販生肉からもこの菌が検出されています。
また、数百個程度と比較的少ない菌量を摂取することで人に感染することが知られています。
原因となる食品
推定される主な原因食品は、生の状態や加熱不足の鶏肉です。ただし牛やブタの消化管内にも生息しており、牛レバーの刺身による食中毒事例も報告されています。また、調理中の取扱い不備による二次汚染も原因となります。その他、不十分な殺菌による井戸水、湧水及び簡易水道水が感染源となった事例があります。
主な症状
下痢、腹痛、発熱、悪心、吐き気、嘔吐、頭痛、悪寒、倦怠感など。
感染数週間後に、手足の麻痺や顔面神経麻痺、呼吸困難などを起こす「ギラン・バレー症候群」を発症する場合があります。
潜伏期間
2日から7日
カンピロバクター・ジェジュニ/コリQ&A
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