ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)について解説します。
細菌の特徴

ボツリヌス菌は、酸素があると増えることのできない偏性嫌気性菌で、土壌中や河川、動物の腸管など自然界に広く生息します。またボツリヌス菌は芽胞(がほう)という「固い殻に閉じこもった種子のようなかたち」になると、熱、乾燥、消毒薬等に強い状態になり、増えることはできませんが厳しい環境でも長く生き延びます。ボツリヌス菌の芽胞は、低酸素状態などの生育環境が整うと発芽・増殖が起こり毒素がつくられます。この毒素は、現在知られている自然界の毒素の中では最も毒性が強いといわれ、A〜Gまでの型に分類されています。
ボツリヌス症は、食品中でボツリヌス菌が増えたときにつくられたボツリヌス毒素を食品とともに摂取したことにより発生する食餌性ボツリヌス症、1歳未満の乳児に発生する乳児ボツリヌス症、創傷ボツリヌス症、成人腸管定着ボツリヌス症の4つに分類され、いずれも死亡を含む重篤な症状に陥ることがあり、十分な警戒が必要です。日本においては、ボツリヌス症は、四類感染症に指定され、診断した医師は直ちに最寄りの保健所に届け出ることが義務づけられています。
原因となる食品
これまで原因として特定された食品には、缶詰、瓶詰、真空パック食品、レトルト類似食品などがあります。また乳児ボツリヌス症の原因食品にはハチミツ、コーンシロップがあります。
主な症状
ボツリヌス食中毒では、吐き気、嘔吐、視力障害、言語障害など。乳児ボツリヌス症では、便秘、全身の筋力低下による 哺乳力の低下など。
潜伏期間
・ボツリヌス食中毒では4時間から10日間(多くは8〜36時間)
・乳児ボツリヌス症では3〜30日間
ボツリヌス菌Q&A
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