公開日:2022年3月22日
食品工場の害虫対策の必要性
食品の製造を行う施設において、施設内での害虫の発生は大変やっかいな問題です。食品衛生に対する消費者の目は厳しく、万が一、製造した食品に害虫が混入してしまうと、食品の回収や消費者や取引先から信頼を失う事態につながりかねません。食品の衛生と品質を守るためにも害虫対策を徹底することは不可欠な業務となります。
一般的な害虫対策としては、専門業者への駆除依頼や害虫の侵入を防ぐための施設改修などの対策が挙げられますが、日々の清掃を徹底することでも副次的に害虫の発生を抑制することにつながりますので、今回は日々の清掃のポイントをご紹介いたします。
害虫対策について
害虫対策では、「侵入の防止」と「発生の抑制」の2つの対策を徹底しましょう。
表1 主要な害虫対策
項目 | 主な対策 |
侵入の防止 | 侵入経路の遮断・誘因トラップの設置 |
発生の抑制 | 定期的な害虫駆除の実施・毎日の清掃の実施 |
<侵入の防止>
食品工場内に害虫を侵入させない手段としては、施設の気密性を高めて害虫の侵入経路を遮断する、誘引トラップなどの捕虫器を設置するなどが一般的です。
<発生の抑制>
害虫の発生を抑制するためには、施設に侵入してしまった害虫の駆除と、施設内での害虫の繁殖をおさえることが重要です。害虫駆除は、専門業者による駆除が効果的ですが、ほかにも施設内に害虫を定着させないように、日頃から施設内の整理整頓を徹底し、害虫の隠れ場所(住処)を作らないこと、害虫のえさとなる汚れ(有機物)を日々の清掃でしっかり取り除き、衛生的に保つことが大切です。
日々の清掃のポイント
ここで、害虫対策を意識した清掃のポイントをまとめてみましょう。
<洗浄剤の選定>
害虫のえさとなる汚れをしっかりと落とすため、洗浄剤の選定は重要です。短時間で効率よく汚れを落とすためにも、汚れの種類や付着状況、被洗物などに鑑み、適切な洗浄剤を選定しましょう。
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<要注意ポイントの洗い出し>
壁や床、排水溝、機器のすき間など普段清掃の行き届かないところは要注意です。特に排水溝は虫が発生しやすいポイントなので、底面だけでなく、側面やフタの裏などもしっかりと洗浄しましょう。また、害虫が一度発生した個所は、繁殖しやすい環境となるため、発生した日時や場所、害虫の種類を記録して、定期的に清掃するようにSSOP(衛生標準作業手順書)に落とし込みます。
<SSOPの整備>
正しい手順で安定した洗浄結果を得るためにSSOPを作成しましょう。洗浄作業においては、洗浄方法や清掃の頻度、洗浄剤の種類や使用濃度などを記載します。
ライオンハイジーンからのご提案
ライオンハイジーンでは、清掃の正しい手順が現場に根付くように、実現場に即したSSOPをご提供いたしますので、お気軽にお問い合わせください。