衛生教育が必要な理由
食品工場で欠かせないのが、従業員に対する食品衛生の教育です。教育の重要性は理解しつつも、「従業員に対する教育法がわからない」「教えているのに、現場の実践につながらない」と頭を悩ませている担当者の方も多くいらっしゃいます。
不衛生な状態が続くのはとても危険なことです。
「ブロークンウインドウ理論」をご存じでしょうか。「壊れている窓を放置していると、誰も注意を払っていないことの象徴になり、やがてすべての窓が壊される」という、犯罪学における有名な理論の一つです。工場の不衛生についても同じ。一部に汚れが付いている、不要物があるだけなら、「ちょっとくらいいいだろう」と油断しがちです。これを放置していると、次第に不衛生な状態が普通だと思うようになり、ますます環境が悪化していきます。そんな環境にしない、続けさせないためにも、衛生教育はとても重要な教育です。
食品工場の衛生教育の基本は、「5S」。今回は「5S」の中から整理と整頓について、現場の実践につながる伝え方をご紹介します。
「整理」とは区分と廃棄
食品衛生の基本となるのは5S=「整理」・「整頓」・「清掃」・「清潔」・「躾」です。その中でも、今回は「整理」「整頓」の大切さを解説します。
まずは「整理」について。整理とは、必要なものと不要なものを区別し、必要なものだけ残すことです。整理が苦手な人は不要なものの基準が不明確なのかもしれません。次の3つを明確にすると、スムーズに整理ができることを従業員に伝えましょう。
【整理するために明確にすること】
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整理を実践することで下記のようなメリットが得られることも、従業員に伝えましょう。メリットが理解できれば、進んで実践してくれるようになります。
【整理の実践メリット】▼整理により不要なものが減るため、
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「整頓」とは定位置保管
整頓とは、定位置保管のことを言います。すなわち、必要な時にすぐ取り出せるように、決められた場所に保管することです。しっかり整頓するために従業員に伝えるポイントは、いわゆる3定です。
【整頓のポイント:3定】
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3定で決めたことは、配置図や写真など、誰もが一目でわかるように表示しましょう。こうすることで、慣れない人でも整頓ができるようになります。
また、食品保管は「先入れ先出し」が基本。「古いものから順に出していく」ようにします。調理器具類の場合は、用途別に管理し、色分けをしましょう。
整頓をすることで下記のようなメリットが得られることも一緒に伝えると、従業員も整頓を実践しやすくなります。
【整頓の実践メリット】
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ライオンハイジーンからのご提案
従業員教育を行うには、限られた時間で理解しやすい資料の準備などが必要になります。あわてて準備をすると、教える方・教わる方の双方に消化不良が起きることも。また、せっかく講習会を開いても、「業務の都合で全員が一斉に受講できない」という事態も想定されます。
最近では、衛生教育をプロにお任せするケースが増える傾向にあります。ライオンハイジーンは、豊富なコンテンツがそろうe-ラーニングシステムを取り扱っています。ぜひ、ご相談ください。