公開日:2023年8月9日
食品工場を悩ます芽胞形成菌
製品検査で、基準値を上回る数の菌が検出されてしまうことはありませんか?
施設や設備の清掃、洗浄、除菌を行っているにも関わらず、「菌検査での数値が一向に落ち着かない」など、製品のクオリティが安定しないというお悩みをよく耳にします。こうしたケースの場合、工場の施設や機器、器具が芽胞形成菌に汚染されている可能性があります。この記事では、芽胞形成菌をしっかり除菌するための洗浄方法をご紹介します。
芽胞形成菌の性質
まず、芽胞形成菌とはどのようなものでしょうか?
芽胞形成菌は自然界に多く存在する菌で、根絶するのはむずかしいとされています。というのも、芽胞形成菌はその名の通り「芽胞を形成する」性質を持っているからです。芽胞とは、菌を守る殻のようなものを意味します。芽胞形成菌は生存するのに厳しい環境になると、芽胞を形成し、芽胞の中で休眠します。その結果、加熱、薬剤、乾燥、紫外線などに強い耐性を持つとされています。
このように生育に適さない環境では芽胞をかぶってじっとしている芽胞形成菌ですが、増殖に適した環境になると芽胞を破り、猛烈に増殖していきます。芽胞形成菌の中には食中毒を引き起こすものもあります。 以上の性質から、芽胞形成菌は食品を扱う工場にとってやっかいな存在だといわれているのです。
除菌洗浄剤で芽胞形成菌をしっかり除菌しよう
それでは、芽胞形成菌を除菌するにはどうしたらよいのでしょう?
まず大切なのは、汚れ(有機物)を取り除くことです。汚れが残っていると増殖に適した環境になりやすくなってしまいます。汚れをしっかりと落としてから除菌することが効果的です。
ただし中性洗剤で汚れを落とし、別途、塩素系漂白剤などで除菌するとなると、手間も時間もかかってしまいます。作業時間を短縮したい場合は、除菌洗浄剤の使用がおすすめです。洗浄と除菌を同時に行うことができるので、作業効率がアップします。
除菌洗浄剤選びと洗浄のポイント
除菌洗浄剤は、「芽胞形成菌」をしっかり除菌できるものを選びましょう。また、除菌力だけでなく、汚れを落とす「洗浄力」とのバランスにも注意が必要です。先に述べたように、汚れが落ちていないと十分な除菌効果が得られないからです。
また、日々の洗浄については、最適な洗浄効果が得られるように洗浄頻度や洗浄方法を決め、SSOP(衛生標準作業手順書)へ落とし込んで、現場で正しく運用することが大切です。毎日の洗浄のクオリティを上げて、汚れや芽胞形成菌を徹底的に除去しましょう。
ライオンハイジーンからのご提案
おすすめは、芽胞形成菌に高い除菌効果を発揮するビグアニド系の除菌洗浄剤です。
ライオンハイジーンからは、「サニテートS-2」や「リッチフォームMF400」をご提案いたします。 「サニテートS-2」は中性洗剤と同じ程度の高い洗浄力があり、一度の作業で洗浄と除菌を行うことができます。発泡洗浄するなら「リッチフォームMF400」。洗浄と除菌を同時に行うことができ、アルミの材質を腐食することもありません。いずれの製品も、やっかいな耐熱性芽胞形成菌までしっかり除菌します。
ライオンハイジーンでは、食品工場用に開発された洗浄剤ラインアップの中から、お客さまの作業環境に適した洗浄剤と洗浄方法をご提案いたします。また、SSOPへの落とし込みもサポートいたしますので、お気軽にお問合せください。